アウフヘーベンの意味は?使い方や用例を世界一わかりやすく解説
今回は“アウフヘーベン”という言葉の意味やどのように使う言葉なのかを紹介したいと思いますが、
まず最初に断っておくと、
僕は横文字を普段の会話でペラペラ使うような意識高い系男子ではないので、
アウフヘーベンという言葉をこの記事で世界一わかりやすく説明したからと言って
僕のことをおっきな黒縁メガネかけてオシャレなベスト着て普段から「ボトルネック」とか「エビデンス」とか「シュリンク」タラタラ言ってるゆるふわパーマ系男子をイメージしないでください。どんなスキーム組んでもインテリ男子にアジャストする自信ありません。←あれ?
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アウフヘーベンの語源はドイツ語
アウフヘーベンとはもともとは
ドイツ語(aufheben)です。「持ち上げる」・「拾い上げる」という意味の単語。
最近だと東京都知事・小池百合子氏がこの言葉を使い注目を浴びました。
『「アウフヘーベン」というのは、一旦立ち止まって、そして、より上の次元にという、日本語で「止揚」という言葉で表現されますが、これまで安全、安心、法的、科学的、さまざまなチェックが行われてきました。専門家会議も、この11日(日曜)にもう一度、休会していた会を開きます。そして、市場問題プロジェクトチームの非常に多角的な報告書をおまとめていただいてきたということでございます。
それから、「もう6,000億もつぎ込んだんだから早く移れよ」という乱暴な意見もよく聞くところでございます。さまざまな調査などを見ておりますと、「豊洲も良いけれども、安全にしてからお願いね」という方が一番多いんですよね。そこの部分はまだ達成されていないというのも、これはよく知らされていない事実だと思います。
ですから、そういったことを全部含めて、どう判断するかという、そのための「アウフヘーベン」が必要だということを申し上げた。』(引用:東京都HPより)
さすがですねこのおばさん小池百合子氏。
都政演説の中でアウフヘーベンの意味をすでに説明してくれてます。
アウフヘーベン=「いったん立ち止まって、より上の次元に持っていく」
かっこいいですね。「次元」とか説明するだけで頭良くなった気がします。
アウフヘーベンがかなり抽象度が高い言葉であることはわかりましたが、
それもそのはず、調べるともともとは哲学の世界で使われていた単語のようです。
アウフヘーベンの提唱者はヘーゲル
アウフヘーベンという言葉を哲学的な意味で提唱したのはドイツの哲学者ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(1770~1831)。
さすがフロイトやニーチェ、ランケといった哲学の巨匠を生み出したドイツだけあって、
日本では独自で育たなかったような抽象概念をたった一つの動詞で表現しています。
大辞泉で調べると以下のように出てきます。
アウフヘーベン
ヘーゲル弁証法の基本概念の一。あるものを否定しつつも、より高次の統一の段階で生かし保存すること。止揚。揚棄。
(引用:コトバンク)
相矛盾する概念を高次で統一するかー。
なるほどねー。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ・・・・・・・・・・・・・・・・・
わかったようなわからないようなですね。もう少し詳しく見ていきましょう。
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アウフヘーベンの公式を見つけた!
アウフヘーベンの前提には対立する2つの概念が必要です。
一つの概念を「テーゼ」
もう一つの対立概念を「アンチテーゼ」と言います。
このテーゼとアンチテーゼをより高い次元で統合・保存することをアウフヘーベンと言います。
出てきた新しい統合概念が「ジンテーゼ」です。
つまりこれを勝手に公式で表すとこうなるわけです。
前提条件:テーゼ⇔アンチテーゼ
[テーゼ] × [アンチテーゼ] ⇒ [ジンテーゼ]
↑
[アウフヘーベン]
ポイントはテーゼとアンチテーゼの統合の記号は“+”ではなく“×”であるということです。
「より高い次元へ」統合することがアウフヘーベンです。
単なる足し算ではありません。
というのも、よくアウフヘーベンの使い方や用例で以下のような説明をしているサイトがありますが、
これは厳密には誤りです。いや厳密じゃなくても間違いです。
アウフヘーベンの誤った使い方
[テーゼ]お父さんはカレーが食べたい
[アンチテーゼ]僕はパンが食べたい
[ジンテーゼ]じゃカレーパンを食べよう! アウフヘーベン完了! Q.E.D!!!
アホかっての。自分で書いておきながらだけど何が元気にQ.E.D.!!!だ。
カレーパン食べたってカレーライス食べる時のあのバクバクと口の中にスプーンで掻き込みたくなる衝動は満たせないし、パンなんかカレーの強さにおされて本来持ってる小麦の味とかバターの味なんか感じられないしとかそういうことじゃなくて、
今目の前に見えていない新しいものの見方や考え方で対立概念を統合する試みになっていません。
だからさっき足し算ではなく掛け算と表現しました。
では、イメージを沸かせるために正しいアウフヘーベンの使い方を見ていきましょう。
アウフヘーベンの正しい使い方①
[テーゼ]この図形は三角形に見える
[アンチテーゼ]この図形は円に見える
[ジンテーゼ]この図形は三角錐である
アウフヘーベンの用例でよくあげられるのはこれです。
側面から見れば三角形。底辺から見れば円。
相矛盾するけれど正しい二つの概念を統合すると、この図形は円錐という三次元の立体であるという見方で統合されます。
これが先程のように単に足し算であれば、トイレに書いてある女の子マークにしかなりません。
イメージ湧いてきましたか?もうひとつ使い方の例を見てみましょう。
アウフヘーベンの正しい使い方②
[テーゼ]海の水はこぼれない。故に地球は平面である
[アンチテーゼ]地平線は弧を描いている。故に地球は球体である。
[ジンテーゼ]地球は球体であるが、地球に吸い寄せる“力”が働いている
思うに、今では当たり前である「重力」や「引力」という概念も、
こうしたアウフヘーベンのもと仮説が提唱され、発見されたのではないでしょうか?
だから普段の生活でなじみのないアウフヘーベンという考え方も、
僕らの今の生活にだいぶ貢献している尊敬すべき概念といえると思います。(←ってまじめ??)
アウフヘーベン的な人になりたい!
ここまででアウフヘーベンという言葉の意味や使い方を用例交え解説してきました。
「世界一わかりやすく!」なんて虚勢を張ってみましたが、
だいたい理解できたでしょうか?
当たり前なんだけど、白か黒かで綺麗に割り切れる物事なんてこの世にほとんどないので、
アウフヘーベンという概念を自然に使うことができる人はこの先強いのだろうなーなんて考えてました。
何かを求めれば代償はつきものだし、長所をひっくり返せば短所になるわけだし、
一長一短に物事割り切れることなんて限りなく0に近いわけで。
アウフヘーベンの使い手 ノア
目指して明日からも精進します。
おしまい。
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