明石家さんまに学ぶ対話術。人を引き付ける話し方とは?
僕はバラエティー番組もたまに見るのですが、
「この人本当に話がうまい(おもしろい)なー!」
って人が最近あまりいないんですよね。それで昔から
「この人みたいに会話で人を楽しませることができる人になりたいなー」
と尊敬していた明石家さんまさんのDVDとかたまに見てるんですが、DVD繰り返し見まくっているうちに彼の話し方の特徴とか、なぜこんなに見ている人を楽しませることができるのかがわかってきたんですよ。
今回は明石家さんまさんに学ぶ「人を引き付ける対話術」について、僕なりの考え方を記事にしたいと思います。
明石家さんまさんの会話は「コーチング」を基本としている
簡単にコーチングについて説明しますね。
「コーチング」というのは教育の世界で使われる言葉で、語源は“coach”=“馬車”です。
馬車って馬が人を乗せて運びますよね。そこから派生して、
「人を目的の場所まで連れて行く」という意味から、「人が目的を達成できるように指導する人」を指すようになりました。
で、コーチングには3つの基本概念というのがありますが、それが
①傾聴
相手を主体に、相手の話を興味をもって聴くこと。“心を傾けて”聴くこと。
②承認
相手の考えや行動を承認すること。認めてあげること。
③質問
相手が潜在的な自分に気づけるように、適した質問を投げかけること。オープンクエスチョンが基本。
この3つです。
全部「相手」とついていることからもわかるように、コーチングの大前提は「相手が主体である」ということです。
指導する側が自分の話したいことを話して引っ張っていくのではなく、「主役は相手」 これが大前提となります。
わかりやすく例を挙げるとこんな感じです。
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どっちの先生が開いて主体ですか?
ここに友達に意地悪をして泣かせてしまった子供がいるとします。いじめられた子のお母さんが学校の先生に連絡をして、先生はそのことを知りました。いじめた子供を呼び出して先生は言います。
先生:あなた、○○君に意地悪をしたらしいわね?○○くんの保護者から電話があったわよ。
子供:・・はい。
先生:お友達をいじめるのは悪いことだっていつも先生言っていたなかった?
子供:・・・・はい。言っていました。
先生:○○くんがどんな気持ちだったか考えてみなさい。同じことをあなたがされたら嫌じゃない?
子供:・・・・嫌です。
先生:二度とこんなことをしないこと。明日○○くんが来たらちゃんと謝りなさい。先生見ていてあげるから。
子供:わかりました。すみませんでした。
小学校であればありそうな光景ですが、これはコーチングの最悪のパターンです。おそらくこの場をの主役は先生ですね。というかもはや支配しているレベルです。笑
それじゃ、次にコーチングの概念を取り入れて今の会話をつぎのように訂正してみましょう。
先生:○○くんの保護者から電話があって、あなたが○○君のことをいじめたと聞いたけれど本当なの?
子供:はい・・本当です。
先生:そうかー。なんでそんなことしたの?先生怒らないから教えてちょうだい。
子供:・・・僕が図工の時間で描いた絵を見て、幼稚園児より下手だって笑ったからです。
先生:あら、それは○○くんもひどいことを言ったわね。先生が代わりに謝るわ。ごめんね。でもだからと言って彼が一生懸命描いた絵を破ったのはあなたらしくない気がするけど、どう思う?
子供:かっとなってしまって、ひどいことをしたと思います。ごめんなさい。
先生:そうか。ひどいことをしたと思うんだ。どんなところがひどかったと思うの?
子供:人は一生懸命作ったものを壊したし、本当はすごくうまかったから、うらやましくなっちゃって・・。
先生:うらやましくなったのね。そうかそうか。でも人が一生懸命作ったものを壊してしまったことは、悪いと思ってるんだ。
子供:はい。
先生:えらいわね。あなたのその気持ち、○○くんもわかってくれると思うんだけど、明日どうする?
子供:できるかわからないけど、謝ってみようかな・・。
先生:できるわよ。ちゃんとわかってくれる。先生はあなたを応援するから、一緒に謝りましょう。
こんな感じです。
ひとつひとつのやり取りを確認してください。傾聴・承認・質問(オープンクエスチョン)をしているのがわかると思います。
すこし説明が長くなりました、このコーチングの技術を、さんまさんは実にうまく使っているんです。
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明石家さんまさんの対話術を分析してみる
それではこれまで説明をしたような技術を、
実際にさんまさんが多用していることを実感してみましょう。
以下は実際にさんまさんがある女性アイドルをゲストとして招いた時の会話です。
さんま「彼氏に、そうやって料理作ってあげるんだぁー」(クローズドクエスチョン)
ゲスト「いえ、彼氏いませんから」
さんま「え? 彼氏おらへんの? ありえへんわー。俺やったら、絶対ほっとかへんわー」(オウム返し+承認)
ゲスト「さんまさん、誰か紹介してください」
さんま「えー、どんなタイプの男性が好みなの?」(オープンクエスチョン)
ゲスト「さんまさんのような方がいいですー」
さんま「ひえー、むちゃくちゃうれしいけど、俺なんかより、○○ちゃんやったら、いい男いくらでもおるやろー」(承認)
ゲスト「そんなことないですよー。でも、面白くて優しい男性で……芸能人でない方がいいですね」
さんま「へー、○○ちゃんは、普通の人がいいんだー」(要約、言い換え)
さんま「俺が芸能人でなくて、20年若かったらなー(悔しがる)。……ってただのおっさんやろ!」(承認)
たった1~2分の会話の中で、傾聴・承認・質問(オープンクエスチョン)を繰り返し使っています。
また、さんまさんの会話の中で特によく使われるのがオウム返しです。
「へぇー○○なんだー」とか
「ほー、○○が好きなんやー」といった具合に、
相手が話したことを繰り返して次の言葉を話す話し方です。
これは相手が「自分の話をしっかりと聴いてくれている」という印象を強く受ける話し方で、これもコーチングの技術の一つとして有名な対話方法です。
コーチングで使われる技法を、さんまさんは自然に使って対話をしているのがわかりますよね。ほかにも見ていておもしろいくらいのオーバーリアクションや、話に必ずオチをつける話し方等もポイントはありますが、コーチングをトークに取り入れているのが、さんまさんがあれだけ大物司会者になった理由として大きいと思います。
だから話をしている相手
は話しやすく、自分のことをどんどん話すことができるんですね。
今回僕が説明したことは特別な技術が必要なことではなく、誰でも意識すればできるようになることばかりだったと思います。
参考にしてもらい、人を引き付ける話し方を身に着けていってほしいと思います。ここまで読んでくれたあなたなら必ずできますから。(←承認。早速使ってみた。笑)
それにしても明石家さんまさんはほんと、偉大だなー。と改めて思いました。
ではでは!
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